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クリスティアン・ホーナー代表インタビュー

後半戦のスタートに際して、Aston Martin Red Bull Racingのクリスティアン・ホーナー代表にインタビュー。前半戦の評価、そしてこれからの将来について語ってくれました。

「シーズンここまでを一言で表すなら?そうですね、“encouraging=(勇気づけられる)”だとちょっと弱いな…」

「これかな、“Delivering(=達成感)”」

Aston Martin Red Bull Racingのチーム代表、クリスティアン・ホーナーは、2019年の前半戦を満足気に振り返りました。Hondaとのパートナーシップ初年度、サマーブレイク前に2勝とポールポジション1回という成績を残しましたが、目指すのはさらなる高みです。

直近の4戦で、マックス・フェルスタッペンが2勝とポールポジション獲得を果たしたことに加え、ホーナーとHonda F1のテクニカルディレクター田辺豊治、マネージングディレクターの山本雅史らトップ間の関係がうまく機能していることも、自信につながっていると言います。

「我々2社は、非常にうまくやれていると思います。コミュニケーションは抜群。目標と課題を共有した上で、明確な役割分担のもとにここまで楽しみながら仕事を進められています」

「田辺さんと山本さんは、それぞれとても強い個性を持っています。田辺さんは、すばらしいレーサーで、この世界で実績を重ねています。寡黙で無表情に見えるかもしれませんが、その裏には情熱を秘めているんです。オーストリアでコンストラクタートロフィーを受け取ったときの感動的な表情に、それが垣間見えましたよね」

「そして、山本さんも本当に情熱的で、常に全力で熱心。周りのモチベーションを上げてくれるレーサーです。ヨス・フェルスタッペン(マックスの父、元F1レーサー)に、約30年前に日本で行われたカートレースで勝ったときのリザルト表をいまだに見せてくるほど負けず嫌いなんですよ(笑) でも、彼の持つエネルギーはすばらしく、最高のパートナーです」

残り9戦となったシーズンで、Red Bullはコンストラクターズランキングで3位につけています。ディフェンディングチャンピオンのメルセデスに追いつくのは難しいかもしれませんが、ホーナーは44ポイント差で2位にいるフェラーリが現実的な目標になるとにらんでいます。

「実現不可能な目標ではないと思います。ここまで、我々のポイントの多くはマックスによるものですが、2台のマシンが実力通りの結果を残せていれば、すでに彼らの上にいたはずですから」

「それに、我々は2勝(フェラーリは未勝利)と、勝ち越していますし、マックスはドライバーズランキングでフェラーリ勢よりも上に立っています。だから、後半戦の目標は、彼らとの差を詰めていくことです」

後半戦から、Red Bullにアレクサンダー・アルボンが加入してマックスのチームメートに、ピエール・ガスリーがToro Rossoへ復帰することになりました。シーズン半ばでのドライバー交代となりますが、ホーナーは、両チームともHonda PUを使用しており、昨年よりも連携が強まっているので難しいことではないと考えています。

「すごく簡単なことです。両チームともに同じオーナーシップのもとにあり、2人ともRed Bullドライバーです。これがすごく大きなことのように考える人が多いのですが、実際は4つのシートをどうやりくりするかということに過ぎません。もし他のスポーツで、AチームとBチームを持つクラブがあれば、Aチームで不調の選手をBチームの選手と入れ替えるのはよくあることですし、Bチームにいった選手を再びAチームに戻すことだってあります」

「そのように、Red Bull RacingとToro Rossoは、同じ考え方のもとでチームを運営しているのです」

フェラーリを目標にしながらも、ホーナーは最終戦アブダビGPまでの結果だけを見るのではなく、パフォーマンスがどうなのかを見極めようとしています。

「皆さんは、トップグループでの相対的なパフォーマンスを見ていると思います。昨年、我々は4勝を挙げました。今年はここまで2勝、もしかしたら3勝できていたかもしれません。後半の9戦は、すべてが我々にとってのビッグレースになります」

「シンガポール、メキシコ、オースティンはチャンスがあるはずです。日本で結果が出せたら夢のような展開ですね。あとは、どこかな…。ブラジル、そしてアブダビもいいかもしれません。こうなるとほとんどのレースだよね!」

「ソチと、今週末からのスパ、モンツァの2連戦は我々と相性がよくないでしょうね」

Red BullとHondaが組んで初めて迎える鈴鹿で優勝すれば、まさに夢がかなったような盛り上がりをみせるはずです。ただ、すでに特別なレースウイークになる機運が高まっているとホーナーは感じています。

「今年の日本GPはすごいことになるでしょうね。チケットの売上も大幅にアップしているはずです。日本の皆さんは、Hondaの成功を渇望していますし、マックスはヨーロッパだけでなく日本でもヒーロー的な人気を誇っています」

「僕は寿司が大好きというわけではないのですが、今年はレースで勝ったら寿司を食べると宣言しています。どこかでそれを実現しなければいけませんね。これまで2回分たまっていて、すでにたくさん食べなければいけませんけど、日本まで取っておくことにします(笑)」

パートナーシップ初年度ではありますが、将来的な展望についても目を向けなければなりません。
「まだ、だれも2020年終了後についてコミットしていませんから、どのチーム、マニュファクチャラーと状況は同じです。もちろん、Hondaはここまですばらしい仕事をしてくれており、将来にわたってこの関係を続けていきたいと考えています。長期的な関係が両者にとって多くをもたらすはずですし、明るい希望が見えます」

「もし十分な能力を持っている選手が現れれば、Red Bull Racingに日本人ドライバーが誕生する可能性だってあります。有望な選手は多く、角田裕毅はこのスパで予選3番手に入るなど、面白い存在ですし、ほかにも有望な日本人ドライバーがいますね」

こうした長期的な展望を見据えつつも、今シーズンの目の前の戦いに集中を高めているホーナー。Hondaと組んで初年度の目標を、こう語ってくれました。

「来年はほとんどのレギュレーションが継続されるため、今年は最後まで上昇気流に乗り続け、その勢いを維持することが大切です。それが来年の戦いにつながります。もし、今季終了時に、また一言で状況を表すなら、こんな言葉を使えるといいですね」

「Momentum(=勢い)」

※このインタビューはベルギーGP金曜日のセッション終了後に行われました