2017 MONACO GRAND PRIX – プレビュー

Hondaは、FIAフォーミュラ・ワン世界選手権(以下、F1)の第6戦モナコGP(開催地:モンテカルロ、5月26日~29日)に向けて準備を進めています。今大会のサーキット情報や、今週末のレースの見どころなどをレポートします。

コメント

長谷川 祐介

「今週末はMcLaren-Hondaの誰にとっても特別なものになると思います。伝統のモナコGPだと言うことはもちろんですが、それに加えて、インディ500に挑戦するフェルナンドの代わりに、ジェンソン・バトンを再びチームに迎えることになるからです。

モナコGPは言うまでもなく、世界で最も長い歴史を持つ伝統あるレースです。

いつの時代でも素晴らしいレースになりますし、チームにとっても、ドライバーにとっても、ファンにとっても1年の中で最も特別なグランプリだと思います。

2週間前のスペインGPではアップデートを投入し、いいペースでレースを走ることができました。モナコはさらにテクニカルな特徴を持つサーキットですし、我々には大きなチャンスがあると思っています。トラックの幅が狭いために抜きにくく、ミスが許されないドライバーズサーキットですので、スタート位置がいつもよりも更に重要になります。したがって、予選でベストな走りができるように十分にセットアップを進めることがキーになると考えています。ジェンソンは元世界チャンピオンで、モナコでも勝利していますし、ストフェルもGP2時代にモナコで表彰台の中央に立った経験を持っています。我々はライバルから見ても非常に手ごわいドライバー二人を擁していると思いますし、彼らがポイントを獲得できるだけのマシンを用意すべく、入念に準備を続けます。」

ジェンソン・バトン

「モナコGPのためにコックピットに戻るのは少し奇妙な気分ですが、エリックから電話をもらった時にはすぐにOKしました。とてもユニークな状況ですけれど、いい機会だと思っています。F1の中でも特にクレイジーで、予測不可能で、エキサイティングなレースでカムバックすることを楽しみにしています。

モナコはとてもユニークなサーキットで、正しいマシンのチューニングと細長いレイアウトに適したセットアップのために、さまざまな作業が必要です。ドライバーにとっては毎回非常にチャレンジングかつエキサイティングで、F1の中でも好きなレースの一つです。

まだ実際にサーキットでMCL32に乗っていませんが、準備は万全です。もちろんモナコのことは知り尽くしていますし、McLarenのシミュレーターで練習してきました。引き続き体作りはしていますし、今まで以上にトレーニングしていると言っても過言ではありません。トライアスロンの練習と大会にも時間を割いてきました。チームと一緒に戦うのが楽しみです。昨シーズンとは反対側のガレージで、全力でフェルナンドのマシンを駆ります」

ストフェル・バンドーン

「スペインGPでの結果は、もちろん私たちが望むものでなくがっかりするものでしたが、ポジティブな点もいくつかありました。マシンに施したアップデートは望んだパフォーマンスを引き出し、エンジニアやデザインチームにとって有益な情報をたくさん入手し、レースでの戦略立案に役立っています。

バルセロナ以降、MTC(McLarenテクノロジー・センター)のシミュレーターでトレーニングを重ね、モナコへ向かう準備は万全です。最近第2のホームサーキットとなりつつあるモナコでF1を戦うのは初めてです。しかしモナコで走ること自体は初めてではありません。GP2で3シーズン戦い、ワールドシリーズ・バイ・ルノーでも走ったので、サーキットのことはよく分かっています。マシンのパフォーマンスがよくても、運悪くトラフィックにつかまると結果に影響してしまうサーキットです。何が起きてもおかしくないし、ファンにとってエキサイティングなレースになるでしょう。

McLaren-Hondaカラーを身にまとったジェンソンとガレージに入るのが楽しみです。私たちは2人ともこのサーキットでレースをするのが楽しみですし、今シーズンベストの成績を収めるチャンスです。もちろんインディアナポリスの状況も気になりますし、フェルナンドにもいい週末を過ごしてもらいたいです」

エリック・ブーリエ

「モナコGPはF1でも随一のグランプリと言われますし、そう言われるのも全く不思議ではありません。テレビに映し出されるシーンは壮観で、金曜が休日となり前日の木曜にプラクティスが行われることから、モナコは平日から熱気に包まれます。

特にMcLaren-Hondaにとって、今年の5月最後の週末は例年以上に重要です。地球の反対側ではフェルナンドがMcLaren Honda Andrettiから初めてのインディ500に挑戦し、私たちは近年では珍しく2チームを同時にサポートします。そして、私たちはジェンソンと再び仕事ができるのを楽しみにしていますし、彼のカムバックを歓迎します。彼はフェルナンドの代役として順調に仕事をこなし、すでにシミュレーターでのトレーニングを完了しています。

私たちはこの週末いくつかのアップデートをマシンに施し、そこからいいフィードバックを得られることを期待しています。スペインではあのような結果でしたが、私たちは進化を続けている自信がありますし、最近のどのレースよりもいいパフォーマンスをするチャンスがあると思っています。

もちろん、両方のマシンが完走することが最優先ですし、よりよい結果を得るための最善の戦略を取っていきます。モナコは、どんなことも起こり得る場所です」

※ FIAとは、Fédération Internationale de l'Automobile(国際自動車連盟)の略称

サーキット情報:

名称 モナコ・サーキット
初開催 1950年
優勝者 2016 ルイス・ハミルトン
2015 ニコ・ロズベルグ
2014 ニコ・ロズベルグ

●歴史

モナコGPは、F1世界選手権のハイライトとも言えるレースです。狭く曲がりくねったモナコ公国の市街地コースは息をのむほど美しく、海側にあるヨットハーバーの間を抜け、ピカソ美術館として知られるグリマルディ城の前を通って満員のグランドスタンドへと至る流れは、モナコならではの光景です。

伝統ある同地での勝利は、ドライバー、チームともに大きな栄誉となります。このサーキットで初めてグランプリが行われたのは、1929年。そして、1950年には選手権の開幕戦として開催されました。それから現在に至るまで、コースレイアウトは大きく変更されていません。

全長3.337㎞は、カレンダー中最短で、平均スピードも一番低くなっています。最長のスパ・フランコルシャン(ベルギー)よりも3.664㎞短く、その差は2倍以上。ガードレールに囲まれたコースではわずかなミスも許されず、ドライバーの技術と勇気が試されます。

過去の勝者は名ドライバーばかりで、最多の6勝を挙げているのがアイルトン・セナです。この勝利うち、McLarenとともに1989年から1993年まで5連勝を飾っています。1992年のレースは、ナイジェル・マンセルにリードを奪われたものの、78周中71周目にマンセルがパンクによってピットイン。セナはラスト5周で猛烈なプレッシャーをかけ、わずか0.215秒差で勝利をつかみ取りました。これは、現在においてもモナコGPにおける最小のタイム差です。コンストラクターとしての最多勝はMcLarenの15勝で、直近では2008年に優勝しています。

また、1982年は、終盤に降った雨が大混乱を招き、史上稀にみるサバイバルレースとなりました。勝利の可能性があった5人のドライバーがクラッシュや燃料切れによって次々と脱落。最終的にブラバムのリカルド・パトレーゼが優勝。2位は約1周差をつけながら燃料切れでストップしたディディエ・ピローニでした。

意外な事実ですが、1951年から1954年の4年間は、モナコGPの開催がありませんでした。

●コース

全長 3.337㎞ ※カレンダー中最短。最長はスパ・フランコルシャン
2016ポールポジション ダニエル・リカルド 1分13秒622
2016ファステストラップ ルイス・ハミルトン 1分17秒939(71周目)
ラップレコード 1分14秒439(ミハエル・シューマッハ、2004年)
エンジニアリング タイトでバンピーなコースであるだけでなく、公道特有のかまぼこ型路面(路面の水はけをよくするために道路の中央が盛り上がっている)とほとんどないに等しいランオフエリアなど、ほかと大きく異なるモナコ。そのため、サスペンションを柔らかくせざるを得ないほか、ターン6のフェアモント・ヘアピン(旧ロウズ・ヘアピン、F1カレンダー中で一番タイトなコーナー)での回転半径を小さくするためにモナコのみの仕様にしたマシンを持ち込む場合もある。
ドライビング ターン15~16のプールサイド・シケインでは、縁石を利用することによってタイムアップが図れる
マシンセットアップ ダウンフォースを最大化し、サスペンションを柔らかくする。マシンのフロントエンド(コーナー入口でのグリップ力)が強ければドライバーは自信を持って攻められるが、出口でのトラクションも重要。
グリップレベル 低い。市街地コースなので、特にレースウイーク前半は弱いが、ライン上にラバーが乗るとグリップが高まり、タイムが向上していく。
タイヤ ウルトラソフト(紫)、スーパーソフト(赤)、ソフト(黄) ※この組み合わせは今季3回目
ターン1までの距離 210m(カレンダー中最短)
最長ストレート 510m ※カレンダー中最長は中国の1170m
トップスピード 時速295㎞(ターン10への進入時) ※カレンダー中最速はモンツァの時速350㎞
スロットル全開率 50% ※カレンダー中最大はモンツァの75%
ブレーキパッド ミディアム。ブレーキングポイントは13カ所
燃費 1周あたり1.5㎏を消費。カレンダー中最も低い
ERSの影響 中程度
ギアチェンジ 48回/1ラップ、3744回/レース

●レース

周回数 78ラップ
スタート時間 現地時間14時(日本時間21時)
グリッド ポールポジションはコース右側だが、レーシングラインは左側なので、2番グリッドはじめ偶数側のほうがグリップは高い。しかし、ターン1までが短く、ポールシッターは左コーナーのターン2の「サン・デボーテ」でイン側を狙うので、偶数列が大きく有利にはならない。
DRS ゾーンは1つのみ。ターン1へ向かうピット前のストレート区間。
ピットストップ 過去2年間はピットストップが勝敗を左右した。2015年は、終盤にセーフティカーが導入された際にトップを走っていたルイス・ハミルトンが予定外のタイヤ交換を行ったが、それによって3位に転落してしまい、物議を醸した。また、2016年はダニエル・リカルドのストップ時間が長引き、ルイス・ハミルトンに勝利を奪われた。今季導入されたタイヤは耐久性が高まっており、ドライコンディションであれば、レースの半分を過ぎたところでの1ストップ作戦が可能と見られている。
ピットレーン 301m。1回のストップでのタイムロスは約22秒。
セーフティカー 出動率は80%と高い。ランオフエリアがほとんどないコースの特性上、わずかなミスでバリアへヒットしてしまう。その際、コース上のデブリを取り除くために、セーフティカー、もしくはバーチャルセーフティカー(VSC)が導入される。VSCは2015年のモナコGPで初めて使用された。
注目ポイント ターン3。時速155kmで抜けるブラインドの左コーナーで、フランスの作曲家の名前にちなんで「マスネ (Massenet)」と呼ばれている。上り坂の頂上から始まるコーナーで、アウト寄りに膨らんだコーナリングになりやすい場所だが、ラインを外すと外側のバリアにクラッシュしてしまう。
見どころ 狭く曲がりくねったコースにより、レース中オーバーテイクの機会はほとんどないにもかかわらず、ドライバーたちは週末の間ずっと限界を試される。予選トップ3以外からの勝者は1996年のオリビエ・パニス(14番グリッド)以来出ておらず、予選順位が大きく結果を左右する。

2017 MONACO GRAND PRIX – 1日目フリー走行

「今週末のさらなる改善に期待」

#MonacoGP
#RaceOfTwoWorlds

モナコ・サーキット、5月25日(木)

本日はモンテカルロで初日のフリー走行が行われ、McLaren-Hondaにとっては実りの多い一日となりました。ストフェル・バンドーンは午後のセッションで11番手となり、マシンの方向性に満足した状態で一日を終えました。

今週末は、日曜日にアメリカでインディ500のレースに出場するフェルナンド・アロンソに代わって、ジェンソン・バトンがバンドーンとともにレースに臨みます。

バトンは午前中のセッションでは、慣らし運転およびMCL32のグリップとパワーの評価を行いました。それに続く午後のセッションでは、コース上のグリップが増す中、さらなる限界点を探るために走行を重ねました。

バトンは、バンドーンからわずか0.03秒差の12番手で午後のセッションを終えました。両ドライバーとも現状からさらに改善できるという自信を持っています。

ジェンソン・バトン

MCL32-03
FP1 1分14.954秒(トップとの差 +1.529秒) 35周 14番手
FP2 1分13.981秒(トップとの差 +1.261秒) 37周 12番手
JENSON BUTTON

「今朝インスタレーションラップを走行したときに、思わず笑顔にならずにはいられませんでした。F1マシンに乗れなくてさみしかったかと聞かれると、そうでもありません。ただ、マシンに乗り込んだ際に、その瞬間を楽しめていることは確かです。今日はロングランもショートランも含めて、フリー走行を心から楽しむことができました。FP2では、マシンに本当に慣れるまでに少し苦労しました。昨年よりもすいぶん遅いタイミングでブレーキを踏み、昨年はもっと高速でコーナーを走行しています。慣れるには時間がかかりますが、明日エンジニアとデータを確認すれば、土曜日にさらに改善できると確信しています。

ピットを出た途端、すべてがとても自然に思えました。最も変な感じがするのは、ほかのマシンの後方にいるときや、ほかのドライバーを先に行かせるときです。ライバルのマシンに目を向けると、昨年よりもとても大きいことに驚きます。その後、自分がバリアに近寄りすぎているのではないかと思って、すこし不安な気分になりますが、それでもマシンはレーシンググローブのように、ピタリと路面にフィットしています。

どの順位を目指すのかは、あまり考えていません。今はポジションが非常に入り混じっていますが、土曜日にはまたすべて変わるでしょう。予選でMercedesのマシンから0.1秒差につけることはないと思いますが、チームのメンバーは、私がどういう状態で予選に臨むのかを理解してくれています。もう少し私に合うようにマシンを改善し、さらに自信を持てるようにするために、なにをすべきなのかはみんな分かっています。

土曜日にはパフォーマンス面で前進できることを願っています」

ストフェル・バンドーン

MCL32-01
FP1 1分14.813秒(トップとの差 +1.388秒) 38周 12番手
FP2 1分13.946秒(トップとの差 +1.226秒) 42周 11番手
STOFFEL VANDOORNE

「今日は、なかなかいい一日でした。

本日のラップタイムを見れば、中位グループがどれだけ拮抗しているかが分かります。それがまさに我々のポジションです。つまり、マシンのパフォーマンスを限界まで引き出すには、今週末に自分たちのもとに転がり込むチャンスの一つひとつを最大限に活かす必要があります。さらに0.1秒~0.2秒削ることが、土曜日の予選では大きな違いとなる可能性があります。

マシンには、かなりいい手応えを感じています。土曜のFP3の前に、マシンに対して少し調整を加えることになると思います。それによって、わずかながらもさらに前進できることを願っています。ここで一番大事なのは、週末を通してマシンを向上させて、予選に十分に備えることです。

それに向けていい状態に持っていくことは可能だと思います。今週末のさらなる改善を楽しみにしていてもらえればと思います」

ERIC BOULLIER
エリック・ブーリエ

「モナコGPのためにモンテカルロを訪れるのは、いつもすばらしい気分です。特に今日は比較的短く、トラブルのない一日だったので、なおさら満足しています。ほとんど中断もなく、走行プログラムを消化することができました。自慢することではないものの、両セッションを通して2台のマシンがともに勢いを維持できたことは満足のいく内容でした。

ストフェルが非常に実りの多い一日を送ってくれたことをうれしく思います。ストフェルと彼のエンジニアは、ストフェルとマシンがどのように機能できるのかをさらに理解するために、前回のレース以来、精力的に仕事に取り組んできました。その努力の成果が表れ始めているように思います。

また、ジェンソンにとってもいい一日でした。今日という一日を非常にうまく判断し、FP1ではいつもながら徐々に慣らして、午後には2017年のマシンのグリップやパフォーマンスレベルの高さを体験し始めました。ジェンソンはFP2終了後に、今日はマシンのドライブをずいぶん楽しんだとコメントしており、それがラップタイムにも表れていると思います。

今日は週末に向けて着実なスタートを切ることができました。金曜日はデータの確認を行い、土曜日にさらに改善できるようにします」

SATOSHI NAKAMURA
中村聡

「今日は大きなトラブルもなく、ジェンソン、ストフェルともに70周超を走行し、ほぼスケジュール通りにプログラムを消化することができ、順調なスタートを切れたと思います。

テクニカルサーキットであるここモナコでは、マシンのバランスが非常に重要になってくるため、今日は午前・午後のセッションともにタイヤやガソリンの量をいろいろ試しながら、車高やメカニカルバランス、エアロの調整を行いました。それぞれの状況でベストなセッティングに近づけていくことができたと思います。

ジェンソンにとっては久しぶりのF1ですし、昨年からは大きくマシンも変わっているのでチャレンジングな初日だったとは思いますが、そんなことは全く感じさせず、いつも通りの彼らしい正確な走りを見せてくれました。経験豊富な元世界チャンピオンですので、土曜以降のセッションも全く心配していませんし、どのようなパフォーマンスをみせてくれるのか楽しみにしています。

ストフェルもF1でモナコを走るのは初めてですが、GP2のモナコウイナーですし、今日は安定した走りを見せてくれました。ここ数週間、彼はチームとともに非常に懸命に作業を続けてきましたし、それが今日実を結んだことをうれしく思っています。

オーバーテイクが難しいここモナコでいい結果を残すためには、言うまでもなく土曜の予選が最も重要になってきます。明日は走行がないですが、今日収集できたデータを十分に分析し、予選に向けてさらにいいセッティングを煮詰めていくために、さらにハードワークを続けます」

2017 MONACO GRAND PRIX – 予選

「明日のレースでは、多少のリスクを背負ってでも懸命にプッシュします」

#MonacoGP
#RaceOfTwoWorlds

モナコ・サーキット、5月27日(土)
    
本日の予選では、両ドライバーが今年初めてそろってQ3進出を果たし、McLaren-Hondaは今シーズンの予選で最も競争力のあるパフォーマンスを披露しました。

ただ残念ながら、ストフェル・バンドーンとジェンソン・バトンはともにグリッド降格ペナルティーを受けるため(バンドーンは前戦のスペインGPでWilliamsのフェリペ・マッサ選手とクラッシュしたことから3グリッド降格。バトンは新しいMGU-Hとターボチャージャー(TC)を搭載したために15グリッド降格。)、決勝では2人ともトップ10圏外からのスタートとなります。

バンドーンはQ2でクラッシュを喫し、最後のセッションに参加できなかったため、タイム計測を行うことなく10番手で予選を終了。モナコGPを12番グリッドからスタートします。一方、バトンは予選9番手に入ったものの、グリッド降格ペナルティーによって最後尾からのスタートとなります。

明日の目標は、モナコではポイントを獲得し、(今週末にアロンソが参戦している)インディ500で優勝することです。

ジェンソン・バトン

MCL32-03
FP3 12番手 1分13.976秒(トップとの差 +1.581秒) 26周
予選
Q1 11番手 1分13.723秒(オプションタイヤ)
Q2 10番手 1分13.453秒(オプションタイヤ)
Q3 9番手(※) 1分13.613秒(オプションタイヤ)
※新しいMGU-HとTCを搭載したことによる15グリッド降格ペナルティーを 受けるため、決勝は20番手からスタート

「今日の予選は大いに楽しむことができました。フリー走行はよかったものの、予選ではマシンのパフォーマンスをさらに調整する必要があり、まだ改善を続けているところです。今年のタイヤは、動き・摩耗・寿命という点で、昨年のタイヤとは全く異なります。(ベストな状態に持っていくまでの)最後の数パーセントを理解するのは容易ではありません。

それでも、私は満足しています。今年唯一のレースとなる週末に、予選で9番手に入り、決勝を20番手からスタートすることになります!こんな機会に恵まれるとは思っていなかったので、私にとってはすばらしい思い出となります。この大きな、すばらしいマシンに乗って、モナコを駆け巡れることをとても幸運に思います。

今週末の終わりには、予選9番手という結果を手にサーキットを去ります。今日の結果には大いに満足すべきだと思っています」

ストフェル・バンドーン

MCL32-04
FP3 10番手 1分13.805秒(トップとの差 +1.410秒) 21周
予選
Q1 6番手 1分13.476秒(オプションタイヤ)
Q2 7番手 1分13.249秒(オプションタイヤ)
Q3 10番手(※) タイムなし(オプションタイヤ)
※スペインGPでのアクシデントにより3グリッド降格ペナルティーを受けるが、バトンのペナルティーにより1グリッド昇格し、決勝は12番手からスタート
STOFFEL VANDOORNE

「今日はポジティブな一日でした。私にとっては初のQ3進出でしたが、その最後のセッションで走行できなかったことが残念です。

ここでは、競争力がさらに増すことを期待して現地入りしましたが、今週末に一歩前進できたことは確実です。これまでの各セッションにおいて、我々はトップ10圏内のポジションにつけており、マシンの中では非常に落ち着いていて、自信が持てると感じました。

自分の予選が小さなクラッシュによって終了してしまったことは、残念です。ただ、ここで限界まで懸命にプッシュしていると、こういうことはときに起こるものです。

チームと協力しながら、ようやくすべてが一つにまとまり始めていると感じます。明日の決勝では、コース上で楽しみたいという一心です」

THE MANAGEMENT

ERIC BOULLIER
エリック・ブーリエ

「本日の予選では、ポジティブな点がありました。非常にいいパフォーマンスをみせ、期待に応える結果を出しました。今季初めて2台そろってQ3に進出したのです。仮に明日も今日の予選順位からスタートできるのであれば、両マシンで強力なポイントを獲得するチャンスを見据えていたでしょう。

それでも、まだポイント獲得の可能性がゼロだとは思っていません。グリッド降格ペナルティーによって12番手(ストフェル)および20番手(ジェンソン)からのスタートとなりますが、このストリートサーキットではどんなことも起こり得ます。さらに、我々のマシンには速さがあるだけでなく、高いドライバビリティも備わっています。そのドライバビリティは、明日このタイトで曲がりくねったサーキットを78周走行する中で、ドライバーにとって大きな手助けとなるでしょう。

まだすべてを失ったわけではありません。レースではプッシュし、多少のリスクを背負ってでも懸命に戦います。明日、モンテカルロのカジノが、私たちに幸運をもたらしてくれるかどうかみてみましょう」

ERIC BOULLIER
長谷川 祐介

「今日はポジティブとネガティブの両面があった日だと思います。予選自体は今シーズン初の2台そろってのQ3進出を果たすことができた一方で、ジェンソン、ストフェルともにペナルティーにより決勝を後方からスタートしなければならないことは残念に思っています。

ストフェルについては初のQ3進出ということで、今日はその実力を存分に見せてくれたと思いますQ2での最後のクラッシュは残念でしたが、全力でプッシュしている状況下では時として起こりうることだと思います。チームは今晩、全力でマシンの修復にとりかかります。明日の決勝は13番手からのスタートですが、木曜からのペースをみていると十分にポイント獲得のチャンスがあると考えていますので、明日走りをみることを楽しみにしています。

ジェンソンは、木曜日のFP2後にPUを一部交換したために決勝での15グリッド交換のペナルティーが決まっていた状況でしたが、その中でもモチベーションを高く保ち、すばらしい走りをみせてくれました。このような状況でモナコの予選を走るのは難しいものだと思いますが、ベテランらしく、スポット参戦でもきちんと結果を残してくれました。

明日までに残された時間は限られていますが、今日得られたデータの分析を進め、決勝ではさらに速さをみせられるよう、ベストなセッティングを目指して作業を続けていきます」

2017 MONACO GRAND PRIX – RACE

「ときにはなにも結果を残せない日もある」

#MonacoGP
#RaceOfTwoWorlds

モナコ・サーキット、5月28日(日)

本日行われたモナコGPは、McLaren-Hondaにとって残念なレースとなりました。

ストフェル・バンドーンは、レース中盤にほかのドライバーが次々とピットストップを行った際に7番手を走行。レース終盤には10番手を走行し、ポイントを獲得するためにいいポジションにつけていました。ただ残念ながら、バンドーンはレース終盤に導入されたセーフティカーが解除されたあと、アクシデントに見舞われました。タイヤとブレーキが冷えていたためにアンダーステアになり、サン・デボーテでタイヤウオールにクラッシュ。66周目でリタイアする結果となりました。

一方、今週末にバンドーンのチームメートとして出場したジェンソン・バトンにとって、午後のレースが厳しい内容になることは最初から分かっていました。パワーユニットのコンポーネント交換によってグリッド後方からのスタートを余儀なくされたため、戦略担当者はバトンを1周目でピットストップさせて、渋滞のない中で別の戦略に出ることを決断しました。

ただ、同じラップでSauberもパスカル・ウェーレイン選手をピットストップさせることにしたために、バトンのピットストップはすぐにその効果を失ってしまいました。ピットストップ後にマシンを安全にリリースしなかったことで、ウェーレイン選手に5秒間のペナルティーが科せられたものの、1周目の戦略的なピットストップがバトンの午後の残りのレースを決定づけるかたちとなりました。

前方を走るSauberのマシンをなかなかオーバーテイクできなかったため、チームは戦略を練り直し、バトンはレース中盤でオプションタイヤに履き替えるためにピットインしました。その後、ウェーレイン選手に追いついたバトンは、ポルティエでイン側からのオーバーテイクを試みたものの、両マシンが激突。ウェーレイン選手のマシンはタイヤウオールに横向きにクラッシュし、バトンはマシンの左側フロントコーナーを破損した状態でハーバーフロントの避難用道路の端にマシンを止めました。

一つのレースが終了すると、今度は別のレースが始まります。我々はこれから、今日フェルナンド・アロンソがインディ500のレースに出場するインディアナポリスに目を向けます。

ジェンソン・バトン

MCL32-03
スタート 20番手(※ピットレーンからスタート)
レース結果 DNF(※ウェーレイン選手とのクラッシュによりマシンが破損。57周目でリタイア)
ファステストラップ 1分16.912秒 47周目(トップとの差 +2.092秒、17番手)
ピットストップ 2回: 1周目(ピットストップ時間 2.78秒)および39周目(ピットストップ時間 4.39秒)[オプション→プライム→オプション]
JENSON BUTTON

「今日は、レースでポジションを上げることができず、残念な一日でした。1周目から非常に難しいレースとなり、その後、ウェーレイン選手とのアクシデントが発生しました。彼のマシンのタイヤは、1周目から完全に摩耗した状態でした。私はスタート直後にピットインし、レース開始時点から彼と同じ種類のタイヤを装着していたので、彼のタイヤの状態は分かっていました。

タイヤが路面に付着したラバーの上を走るときにはグリップが全くないので、前のコーナーからの立ち上がりの際に、かなりのトラクションを抱えていました。十分に距離を置いた上でイン側を刺したつもりでしたが、横を見ると、ウェーレイン選手が私に気づいていないことが分かりました。そこで、後ろに下がろうとしたのですが、すでに手遅れでした。

このマシンに乗っていると、周囲を見渡しにくいのは確かです。ただ、イン側に入ったときに相手が自分のことを見えないかもしれないとは、その瞬間には思わないのです。オーバーテイクを仕掛けて、ちゃんと判断したと思ったのですが、うまくいきませんでした。マシンが横転すると、ドライバーの頭がなにかにぶつかるかどうかが分からないので、そのような光景を目にしたくはありません。ただ一番大事なことは、ウェーレイン選手が無事だったことです。彼と話をしたところ、当然のことながら少し動揺していましたが、彼にケガがなかったことがなによりです。

今日は少しフラストレーションが溜まりました。レーシングドライバーとしては、後方でドライブしているだけで、オーバーテイクのチャンスがないというのは難しいものです。実際にオーバーテイクを仕掛けて、ちゃんと判断したつもりでしたが、失敗に終わりました。今週末に、マシンにダメージを与える結果になった点については、チームに対して申し訳なく思います。今日も数周は走行を楽しむことができました。ただ、マシンに損傷を与えるつもりは当然ありませんでしたし、そういった結果につながったことはそう多くはありません。昨日はすばらしい気分でしたし、予選を心から楽しむことができました。今週末は、たくさんのいい思い出を胸にサーキットを去ります。

フェルナンドが午後に安全で、いいレースをしてくれることを願っています。みんなで楽しみにしています」

ストフェル・バンドーン

MCL32-01
スタート 12番手
レース結果 DNF(※アクシデントのため、66周目でリタイア)
ファステストラップ 1分16.665秒 45周目(トップとの差 +1.845秒、15番手)
ピットストップ 1回: 43周目(ピットストップ時間 3.22秒)[オプション→プライム]
STOFFEL VANDOORNE

「今週末に、1ポイントも獲得できなかったことは残念です。今回は私たち全員がもう少しいい結果を期待していたと思います。

レース終盤の再スタートの際に、困難な状況になることは分かっていました。スーパーソフトタイヤを温めるのは常に難しく、セーフティカー導入時にオプションタイヤに履き替えたセルジオ・ペレス選手(Force India)とフェリペ・マッサ選手(Williams)を後方にとどめることはできないだろうと考えていました。ただ、セーフティカー導入時にタイヤ交換のためピットインすることは、我々の選択肢にはありませんでした。トップ10圏内を走行している際は、そのポジションを維持しなければなりません。タイヤとブレーキをなかなか温めることができず、残念ながら1コーナーではどこにも行きようがありませんでした。

今回の結果は、今週末に我々が期待していたものではありませんが、モナコ戦ではポジティブな点もありました。全体的なパフォーマンスはまだ十分ではないものの、今週末は有効な進化を遂げることができました。

まだやるべきことは多くありますが、私は前向きな気持ちでいます」

ERIC BOULLIER
エリック・ブーリエ

「モンテカルロのカジノを訪れて、大儲けをすることもあれば、手ぶらで帰ることもあります。今日は我々にとって、運に恵まれなかった不運な一日であっただけに過ぎません。

ジェンソンがレースを後方からスタートすることは、分かっていました。ただ、Sauberが我々と全く同じ戦略に出たことで、渋滞のない中でジェンソンを走らせようという目論見が台無しになってしまったことは残念です。ウェーレイン選手のマシンが安全にリリースされなかったにもかかわらず、それによって彼が受けたペナルティーがジェンソンにとってはなんの得にもならなかったことは、残酷なことだったと言えるでしょう。2台のクラッシュはレースでは起こり得るものですが、両ドライバーにケガがなくてよかったです。

その後は、残ったストフェルに焦点を当ててレースを展開し、今日はまずまずの結果が得られるのではないかと思っていました。ストフェルはレース全体にわたって、トップ10周辺を常に走行し、オプションタイヤでのペースは非常に期待できるものでした。プライムタイヤに履き替えたあとも、入賞することは確実だと思っていました。しかしながら、セーフティカー導入後のレース再開の際に、タイヤとブレーキが温まっていなかったためにアンダーステアとなり、1コーナーのタイヤウオールにクラッシュしてしまいました。

それでも、ポジティブな点はあります。今週末はストフェルが、ドライビングとマシンに対する自信の持ち具合という面で、確実に一歩前進したと思います。また、ジェンソンは彼が今も偉大なチャンピオンであり、F1というスポーツにとってすばらしい大使の役割を担っていることを示してくれました。

最後に、インディ500でレースに臨むフェルナンドと我々の仲間に『幸運を』というメッセージを送ります」

長谷川 祐介
長谷川 祐介

「今日は残念なレースになってしまいました。

ストフェルはペナルティーにより12番手からのスタートでしたが、プラクティスからペースがいいのは分かっていたので、オーバーテイクが難しいここモナコでも、ポイント獲得のチャンスはあると思っていました。実際に賢明なピット戦略と彼の見事な走りにより、ポイント圏内に届いたことはすばらしかっただけに、あのような接触でポイントを逃してしまったことは本当に悔しく残念です。

ジェンソンにも速さはあったと思いますが、前を走るライバルに引っかかり、なかなかペースを上げられない状況でした。終盤の接触によりリタイアするかたちになりましたが、昨日の予選でのパフォーマンスなど、スポット参戦とは思えない活躍を披露し、伝統ある華やかな舞台でチームに明るい雰囲気をもたらしてくれた週末でした。テクニカルサーキットのモナコから一転、次戦はパワーサーキットであるカナダで、インディから戻ってくるフェルナンドを迎えて戦うことになります。

次はカナダになりますが、まずはその前に、フェルナンドのインディ500での活躍をテレビで見守ることにします」