レポート

F1 シンガポールGP

2017 SINGAPORE GRAND PRIX – プレビュー

Hondaは、FIAフォーミュラ・ワン世界選手権(以下、F1)の第14戦シンガポールGP(開催地:マリーナ・ベイ、9月15日~17日)に向けて準備を進めています。今大会のサーキット情報や、今週末のレースの見どころなどをレポートします。

※ FIAとは、Fédération Internationale de l'Automobile(国際自動車連盟)の略称

コメント

株式会社本田技術研究所 主席研究員 F1プロジェクト総責任者
長谷川 祐介

「5月のスペインGPから始まったヨーロッパでの戦いを先日のイタリアGPで終え、最終戦に向けてアジア、アメリカ大陸、中東への遠征レースが、ここシンガポールを皮切りにスタートします。
東南アジア特有の暑さと湿気は、比較的涼しい欧州の気候に慣れたドライバーやチームメンバーには楽なものではありませんが、ライトアップされた美しい街並みや摩天楼の下を駆け抜けるマリーナ・ベイ・サーキットでのナイトレースは、だれもが楽しみにしているグランプリの一つです。
イタリアGPでのレース結果は非常に残念なものでしたが、高速サーキットのモンツァで、ある程度の速さを見せられたことは前向きに捉えています。また、今回のシンガポールGPは、前戦とは一転してタイトな低速コーナーが多いテクニカルなストリートサーキットです。同様の特徴を持つハンガリーでもいい結果を残せたので、我々にとってはポイントを獲得するための大きなチャンスだと考えています。マシンとPUのセットアップがカギになってきますが、シーズン終盤戦に向けていい流れを作るためにも、まずはここシンガポールでいい結果を残せればと思っています」

フェルナンド・アロンソ
フェルナンド・アロンソ

「スパ、モンツァの連戦が厳しい戦いになることは分かっていましたが、2戦合計で3つのリタイアというのは残念でした。ただし、ポイント獲得にはつながらなかったものの、予想よりもいいペースを発揮することはできました。
ヨーロッパでのレースを終え、シーズン終盤戦となる遠征に気持ちを切り替えています。シンガポールは、そのフライアウェイ初戦としては最高の舞台です。ほかのサーキットよりも我々のパッケージに合っているので、いい結果が得られる大きなチャンスです。
コースは“東のモナコ"と言えるかもしれません。都市の中心部にある美しいサーキットで、雰囲気もすばらしいのです。ただ、高温多湿のタフな環境は、マシンとドライバーにとっては厳しいものになります。バンピーでタイトなコースには力を試されますが、うまく走れれば気分は最高で、本当に楽しいサーキットです。低速コーナーでのトラクションと、高いダウンフォースが求められるので、信頼性が確保できれば、間違いなく我々にチャンスがあるはずです」

ストフェル・バンドーン
ストフェル・バンドーン

「シンガポールでのレース経験はありませんが、ここ数年チームに帯同していたので、レースウイークの流れは分かっています。(すべてがナイトセッションのため)ヨーロッパ時間に合わせて動き、眠りにつくのが午前6時というのは不思議な感じがしますが、それもこのグランプリが特別なものである一因だと思います。シンガポールはすばらしい都市なので、街中を見て回るのも楽しみですね。
未経験ではありますが、シンガポールは年間で最もワクワクするグランプリの一つです。ほかのレースとは全く違った経験になるでしょう。グランプリの雰囲気は独特で、照明の下、街の中心部でレースをするのは、とてもいい気分だと思います。レース時間はカレンダー中でも最長の部類に入るので、高温多湿の環境下でいつも以上にスタミナが必要になりますが、その準備はしっかりできています。
この2戦、チームとしては厳しい結果でしたが、私にとってはコース上で見せたパフォーマンスに勇気づけられた面もあります。いい結果で終えることはできませんでしたが、すべてのセッションでポジティブな手応えを得られました。今回は運が向いてくるはずですから、週末を通じてパッケージの競争力を最大化できればと思っています。そして、日曜のレースではいい位置でフィニッシュしたいです」

エリック・ブーリエ
エリック・ブーリエ

「シンガポールGPはシーズンの中でも主要なレースと言え、アジアラウンドでもとりわけ注目度が高いので、チーム全員が毎年楽しみにしています。湿度の高い環境で昼夜逆転生活を送り、照明の下で、壁に囲まれた厳しいレイアウトのコースを走るという、かなり独特なグランプリです。ファンの皆さんも、この素敵な街の中心地で最高のレースを見ることができるでしょう。
チームとそのパートナー、そしてファンの全員にとって、すばらしい光景が広がり、だれもがその体験を待ち焦がれています。カレンダーの中でもベストと言えるレースが生まれ、さまざまなドラマが見られるはずです。
ここ2戦は厳しい結果に終わりましたが、我々はこれからのことに気持ちを切り替えています。シンガポールは、過酷な市街地コースが我々のパッケージにマッチするので、一年の中でも最大のチャンスが訪れるサーキットの一つです。結果に影響を及ぼすようなペナルティーを受けないように懸命に取り組んできましたし、まだ確認できていませんが、モンツァでのストフェルのリタイアで、新たなパワーユニットのエレメントを使用しなくて済むように願っています。
シンガポールGPが10周年を迎えるのはすばらしい成果であり、ファンとチームが毎年楽しみになるような最高の環境を用意してくださっている主催者の皆さんに、お祝いを述べたいと思います。McLaren-Hondaは全力で臨み、前を行くライバルたちにできるだけ近づけるように頑張ります」

サーキット情報:

名称 マリーナ・ベイ・サーキット
初開催 2008年
優勝者 2016 ニコ・ロズベルグ
2015 セバスチャン・ベッテル
2014 ルイス・ハミルトン

●歴史

シンガポールGPは、2008年より毎年開催され、今年で10周年を迎えます。F1唯一のナイトレースとして、現地時間の夜8時、日没の2時間後にスタート。サーキットは1500以上のランプによって照らされます。シンガポールの中心部で照明の中に浮かび上がったコースをマシンが駆け抜けるさまは、息をのむほど壮観です。

レース時間は毎年カレンダー中最長となり、過去5年間のうち3レースでFIAの定めた2時間ルールが適用され、スタート後2時間経過時点での周回でチェッカーフラッグが振られました。

開催地のマリーナ・ベイ・サーキットは年間で2番目に平均時速の低いコースですが、ドライバーへの身体的負担は最大となります。湿度80%にもかかわらずコックピット内は50℃を超え、23のコーナーを持つロングサーキットを走るため、ドライバーはレース中に体重が3㎏も減ってしまいます。

初開催となった2008年にはハプニングが続出。なかでも、“クラッシュゲート"として有名な、ルノーのネルソン・ピケ Jr.による故意のクラッシュと、当時フェラーリのフェリペ・マッサが給油中にピットアウトしてホースを引きちぎってしまった場面が話題を呼びました。

このシンガポールGPと、マレーシアGPの開催により、東南アジアでのF1人気が急速に高まっています。シンガポールのレースには多くの観客が詰めかけますが、その半数は海外からやってきます。ちなみに、シンガポールでは1961年と1973年にトムソンロード市街地コースで非選手権レースとしてグランプリが行われています。

McLarenは、シンガポールでこれまで1勝、2つのポールポジションとファステストラップ1回を記録しています。

●コース

全長 5.065㎞ ※カレンダー中13番目の長さ。
2016ポールポジション ニコ・ロズベルグ 1分42秒584
2016ファステストラップ ダニエル・リカルド 1分47秒187(49周目)
ラップレコード 1分47秒187 (ダニエル・リカルド、2016年)
エンジニアリング マリーナ・ベイ・サーキットはバンピーでコーナーの多い市街地コースである上、気温が高いため、モナコ仕様をさらに強化したバージョンが持ち込まれる。
ドライビング ロングコーナーはごくわずか。一番多いのが90度コーナーで、ドライバーはステアリングを思いきり切れ込ませる。最も差がつくのはコーナーの入口と出口でいかにウオールに近づけるかだ。 また、ターン5の出口とターン7の入口が難所。この2カ所は特にバンピーでミスをしやすい。ターン5の出口ではパワーを抑えてクリーンに抜けることが重要。その先には9秒間フルスロットルになる最長のストレートが控えている。
マシンセットアップ グリップを高めるため、ダウンフォースを最大に設定。また、バンプや縁石を乗り越えるので、サスペンションを柔らかくする。
グリップレベル 低い。年1回しか使われないサーキットかつ普段は公道なので、金曜日のプラクティス開始時の路面は汚れていて滑りやすい。コース上にラバーが乗ってくると、ラップタイムは急速に向上するが、定期的ににわか雨が降り、ラバーを流してしまうことがある。
タイヤ ウルトラソフト(紫)、スーパーソフト(赤)、ソフト(黄) ※この組み合わせは今季7回目
ターン1までの距離 200m(カレンダー中最長はバルセロナの730m)
最長ストレート 832m ※ターン7へ向かう直線
トップスピード 時速305㎞(ターン1への進入時) 。最大のフルスロットル継続時間は9秒
スロットル全開率 47%
ブレーキ負荷 高い。ブレーキングポイントが16カ所あり、ブレーキ冷却が可能なストレートは少ない。
燃費 1周あたり1.9㎏を消費。ストップ&ゴー型サーキットのため、カレンダー中でも比較的高め。
ERSの影響 中程度。ERSの利用箇所は多いが、回生できるブレーキングポイントも多い。
ギアチェンジ 80回/1ラップ、4880回/レース

●レース

周回数 61ラップ
スタート時間 現地時間20時(日本時間21時)
グリッド ターン1までの距離は短いが、レーシングライン上のグリップは大きいのでアドバンテージがある。ただし、ポールポジションはターン1でのアウト側に位置している。
DRS ゾーンは2つ。ターン1へ向かうストレートと、ターン7へ向かうストレート。
戦略 オーバーテイクが難しいコースなので、予選とレーススタートが非常に重要。勝敗は序盤の200mで決してしまうこともある。
ピットレーン 420m。1回のストップでのタイムロスは約29秒。制限速度時速60㎞となるピットレーンが長いので、1回のストップにおけるタイムロスはシーズン最大。
セーフティカー 出動率は100%。これまでのレースでは少なくとも1回は出動しているので、チームも戦略に組み込む重要な要素と見ている。
注目ポイント 雨が降るかどうか。これまで一度もウエットレースになったことはなく、雨が照明下での視界にどういう影響を与えるのか、はっきりしていない。 カギになるのはターン20・21のシケイン。ピット前ストレートに向かう右-左のシケインで、ここでのコントロールがその後のスピードの伸びを左右する。
見どころ ナイトレースの魅力はもちろんだが、チーム・ドライバーにとってはシーズンで最も過酷なグランプリの一つでもある。ドライバーはレース後に3㎏の体重減となるほどの環境で戦うが、今季はマシン変更によってさらにペースが上がることも予想されている。

2017 SINGAPORE GRAND PRIX – 1日目フリー走行

「強みを発揮できるサーキット」

#SingaporeGP

マリーナ・ベイ・サーキット、9月15日(金)

マリーナ・ベイの市街地コースでフリー走行が行われ、フェルナンド・アロンソおよびストフェル・バンドーンの両ドライバーはトラブルもなく、堅実にセッションを終えました。

初めてコースを訪れたバンドーンは、FP1の走行プログラムを正式に始める前にコースを確認するため、試作品のヘイロー(ドライバーの頭部保護装置)を装着して数周走行しました。

バンドーンはすぐにコースに慣れると、両セッションともに問題なく走行し、夜に行われたFP2では1分42.501秒のベストタイムで6番手に入りました。

一方、アロンソも両セッションをスムーズに進め、FP1ではバンドーンよりも速いラップタイムを出し、FP2ではバンドーンのすぐ後ろの7番手となりました。

フェルナンド・アロンソ

MCL32-02
FP1 1分43.759秒 (トップとの差+1.270秒) 19周 8番手
FP2 1分42.788秒 (トップとの差+1.936秒) 32周 7番手
FERNANDO ALONSO

「今日のパフォーマンスはよかったです。基本的には、自分たちが期待していた通りです。このコースでは、スパやモンツァよりも競争力が上がると想定していました。

今日は両マシンがトップ10入りを果たしましたが、明日の予選と日曜日のレースでもそれを再現できることを願っています。

入賞は必須です。現在、我々はコンストラクター選手権で9位にとどまっているので、ポイント獲得のチャンスがきたら、それを常に両手でつかむ必要があります」

ストフェル・バンドーン

MCL32-03
FP1 1分44.340秒 (トップとの差+1.851秒) 25周 11番手
FP2 1分42.501秒 (トップとの差+1.649秒) 34周 6番手
STOFFEL VANDOORNE

「今日は私にとって、非常にポジティブな一日でした。ここで走行したことがないにもかかわらず、FP2では6番手に入りました。

今日のFP1でこのサーキットを初めて走行しましたが、かなり素早くコースに慣れることができました。

フリー走行の結果だけをみると、今日は特にいい一日だったようにみえるかもしれませんが、Ferrariの2台は理想的なかたちでセッションを進めることができず、FP2では我々よりも後方のポジションでした。Ferrariは明日パフォーマンスをさらに上げてくると思いますが、今日の自分たちのペースを明日の予選でも発揮できるよう願っています」

THE MANAGEMENT

ERIC BOULLIER
エリック・ブーリエ

「闇に包まれたシンガポールの市街地コースでF1マシンを目にするのは、いつもながらすばらしい光景です。また、今夜行われたFP2では両マシンが余裕を持ってトップ10に入り、特にうれしく思っています。

両ドライバーは、マシンのバランスには比較的満足しており、明日の大事な予選に向けて今夜マシンをさらに進化させるためのベースは確実にできています。日曜日は長く、難しいレースになるので、それに向けていいグリッドポジションを獲得することは必須です。

今日のストフェルのパフォーマンスは、目を見張るものがありました。非常にいい走りをしたと思います。このコースで走行するのは今回が初めてであるにもかかわらず、すぐにコースに慣れて、ミスをすることもなく、6番手という見事なポジションを獲得しました。これは、非常にすばらしい結果です」

長谷川 祐介

「例年通り、暑くて湿気のある中で始まったシンガポールGPですが、タフな環境でもチームはきちんと仕事をし、予定されたプログラムを全て完了することができました。

まだ金曜ですので、タイムの話をするのは早いとは思いますが、事前の想定通り、ここは我々のマシンとは相性がいいサーキットです。二人のドライバーの走りには満足しており、明日の予選もいい結果を残せるのではと期待しています。

今日は来期の体制について大きな発表がありました。大変残念に思っていますが、今は残されたレースでいい結果を残すため、パフォーマンスの向上に全力を尽くします」

2017 SINGAPORE GRAND PRIX – 予選

「上位で限界に挑む」

#SingaporeGP

マリーナ・ベイ・サーキット、9月16日(土)

McLaren-Hondaは、明日のシンガポールGPを8番手(フェルナンド・アロンソ)および9番手(ストフェル・バンドーン)からスタートします。

本日行われた予選において、両ドライバーは高い競争力を備えたマシンを武器に、Q1とQ2では余裕を持ってトップ10入りを果たしました。しかしながら、Q3では速いライバルチームがさらにスピードを上げてきたため、僅差で負ける結果となりました。

それでもチームは、明日ワールドチャンピオンシップポイントを獲得することを期待しています。

フェルナンド・アロンソ

MCL32-02
FP3 4番手 1分42.383秒(トップとの差 +0.554秒) 11周
予選
Q1 3番手 1分42.086秒(オプションタイヤ)
Q2 9番手 1分41.442秒(オプションタイヤ)
Q3 8番手 1分41.179秒(オプションタイヤ)
FERNANDO ALONSO

「予選で両マシンをQ3に進出させるという最初の目標は達成したので、仕事の50%は完了しました。2つ目の目標は明日の決勝で両マシンが入賞することですが、我々のスターティンググリッドを考えると、それは可能だと思います。

ここでのレースペースは、いつも少し不明なところがあり、なかなか読めません。昨日のロングランは十分な距離ではなく、このコースではオーバーテイクが困難なので、ポジションは1周目が終わった時点でおおむね決まってしまうでしょう。

ですから、好スタートを切り、1コーナーでアクシデントに巻き込まれないように集中する必要があります。それ以降は集中力を維持し、ミスをしないようにします。非常に厳しいレースになりますが、ポイントを獲得できればと思います。

レースペースに関しては、上位6台のマシンは手が届かないほどの位置にいます。従って、我々は自分たちのポジションを死守し、可能であれば7位に浮上することを目標にします。

明日、自分たちの仕事を成し遂げられるよう願っています」

ストフェル・バンドーン

MCL32-03
FP3 5番手 1分42.439秒(トップとの差 +0.610秒) 13周
予選
Q1 5番手 1分42.222秒(オプションタイヤ)
Q2 6番手 1分41.227秒(オプションタイヤ)
Q3 9番手 1分41.398秒(オプションタイヤ)
STOFFEL VANDOORNE

「今回は両マシンのQ3進出を期待しながら、週末を迎えました。そして、今日それを達成できました。

Q1とQ2では、両セッションを通して常にスピードがありました。ただQ3では、ライバルチームと比べて、タイムを伸ばすことができなかったように思います。それでも、今日はチームのメンバー全員がスムーズかつ、着実な仕事をしてくれました。

今日はいいスタートを切れましたが、本当に大事なのは明日です。レース中に、セーフティカーの導入を何度か期待する場面がでてくるかもしれませんが、今回はいい気分で週末を終えられるのではないかと思っています」

THE MANAGEMENT

ERIC BOULLIER
エリック・ブーリエ

「ここは我々のマシンの強みに合うコースだと分かっていたので、両ドライバーが上位で限界に挑む姿をみて、うれしく思いました。

今日の予選で2台揃ってトップ10入りしたことで、常に難しく、厳しい、そして予測不可能なレースを迎えるにあたって、いい位置につけることができました。明日の決勝で、価値あるワールドチャンピオンシップポイントをさらに獲得できればと思います。

フェルナンドもストフェルも、週末を通してすばらしい走りをしてくれています。両ドライバーがこの困難で妥協を許さない市街地サーキットに挑む姿をみるのは、うれしいことです。それと同様に、蒸し暑いピットガレージ、ホスピタリティエリア、またはファクトリーといった場所にかかわらず、チーム全体がこの忙しいシンガポールGP週末を通して、非常に高いレベルで仕事をしてくれています。

これらが一つにまとまったとき、我々はレーシングチームという一つのユニットとして活動していると強調するに値します。競争力があるマシンがあれば、自分たちにもいい仕事ができることを証明するチャンスだと思っています」

長谷川 祐介

「昨日に続き蒸し暑いコンディションのなか、2人のドライバーはFP3からいいパフォーマンスをみせていました。

予選もその勢いを維持し、2台ともQ3に進出を果たし、いいかたちで予選を終えてくれました。我々の得意とするテクニカルサーキットですので、ここで競争力があることは分かっていましたが、2人のドライバーともに確実にトップ10のポジションを獲得してくれたことは、うれしく思います。ただ、一方で、事前に想定していたよりも上位陣と差が開いてしまったと言う悔しさもあります。

ここはオーバーテイクが難しいサーキットですので、今日の予選結果は明日の決勝に向けて大きな意味を持ってきます。レースペースも悪くないと考えているので、明日はしっかりとスタートを決め、ポイント獲得はもちろんのこと、できる限り上位でフィニッシュできるよう、チームが一丸となって戦います」

2017 SINGAPORE GRAND PRIX – 決勝

「ストフェルがすばらしいドライビングを見せる」

#HungarianGP

マリーナ・ベイ・サーキット、9月17日(日)

長く、波乱の展開となったシンガポールGPにおいて、ストフェル・バンドーンは7位で入賞し、McLaren-Hondaにとって価値あるワールドチャンピオンシップポイント6点を獲得しました。

レースは雨が降る中スタートし、それが引き金となって1コーナーでアクシデントが発生。その結果、すばらしいスタートを切ったフェルナンド・アロンソは、マシンに大きな損傷を負いました。その後、2周は果敢な走りをみせていたものの、マシンの損傷がレースを続行できないほど深刻であったため、アロンソは8周目でのリタイアを余儀なくされました。

一方のバンドーンは、1周目のクラッシュに巻き込まれないよう避けて通過しながらも、トップ10圏内のポジションを維持することに成功。そして、コンディションがウエットであろうとドライであろうと、コース上で常に競争力のある走りをし、27周目のピットストップで出遅れるまでは、6番手のポジションを奪いにいく勢いでした。

7位という結果は、バンドーンとチームの週末を通しての努力に対する報いです。

フェルナンド・アロンソ

MCL32-05
スタート 8番手
レース結果 DNF(※アクシデントによる損傷により8周目でリタイア)
ファステストラップ 2分13.579秒 8周目(17番手)
ピットストップ -
FERNANDO ALONSO

「スタートはすばらしかったです。いいスタートを決め、何台かのマシンを抜いて3番手に浮上しました。ただ、それ以降は、自分のいた場所とタイミングが悪かったです。イン側でなにが起こっているのかを把握しておらず、分かっていたのは1コーナーで何台かのマシンがクラッシュして、そのまま私のマシンにぶつかったということだけでした。あの状況では、なにもできることはありませんでした。

残念ながら、マシンには大き過ぎる衝撃でした。コックピットの中からは、どれぐらいの損傷を負ったのかを理解することはできませんが、マシンの感触があまりよくなく、かなりのオーバーステアでした。そこで、チームにどんなダメージを負ったのか聞いたところ、テレメトリー(走行中のマシンデータをピットから監視できるシステム)が故障したため、はっきり分からないとのことでした。最終的には、電気系の問題が発生し、マシンを止めざるを得ませんでした。

こういうことは、レースではときに起こるものです。そして残念ながら、今日は我々に起こってしまいました。今回のレースには大きな期待を抱いており、ウエットコンディションではかなりの力強さをみせていただけに、非常に残念です。

今夜はがっかりしているものの、実際にはポジティブで楽しい週末でした。チームはすばらしい仕事をしてくれましたし、2週間後のセパンでは、今回よりも幸運に恵まれることを願っています」

ストフェル・バンドーン

MCL32-04
スタート 9番手
レース結果 7位
ファステストラップ 1分46.722秒 57周目(トップとの差 +1.714秒、6番手)
ピットストップ 2回: 12周目(ピットストップ時間 3.261秒)および27周目(ピットストップ時間 9.306秒)[フルウエット→インターミディエイト→オプション]
STOFFEL VANDOORNE

「今日はまさに波乱のレースでした!

序盤は雨が降る中でのレースとなり、難しい状況でした。そこで、トラブルに巻き込まれないようにしようと集中し、なんとかうまく回避できたと思います。それ以降は、自分のレースを進めました。

今日は、7位が自分にとってベストの結果だったと思います。6位を狙えるチャンスも一時はあったものの、2回目のピットストップで出遅れたため、うまくいきませんでした。それ以降は、マシンの実力をできる限り引き出し、パフォーマンスを最大限にすることに集中しました。

今日はいくつかポイントを獲得することができたので、週末をいい気分で終えられます」

THE MANAGEMENT

ERIC BOULLIER
エリック・ブーリエ

「スタート直前に雨が降り出したとき、今日のシンガポールGPはエキサイティングで予測不可能なレースになるだろうと思いましたが、まさにその通りになりました。

そんな中、ストフェルはフルウエット、インターミディエイト、オプションのどのタイヤで走っているときも、常に戦いに挑み、マシンのポテンシャルを最大限に引き出し、7位入賞という見事な結果を出しました。

2回目のピットストップで出遅れなければ、6位も手が届く範囲だったと思います。ただフロントジャッキがうまく入らなかったために、左側のフロントホイールがフロアからちゃんと上がらず、タイヤを取り外すのに時間がかかってしまいました。そこで出遅れたため、ストフェルは果敢な走りでジョリオン・パーマー選手(Renault)に追従していたものの、結局、差を埋めることはできませんでした。

一方、フェルナンドにとっては、非常に残念な一日でした。ウエットコンディションで見事なスタートを切ったにもかかわらず、1コーナーでマックス・フェルスタッペン選手(Red Bull)のマシンと激しく衝突しました。あまにも大きな衝撃だったため、マシンのボディが引き裂かれ、フロアに損傷を負い、最終的にはエキゾーストに穴が開くほどでした。

セーフティカーの後方でフェルナンドがピットを通過した際に、最初に受けたダメージを確認することができました。実際のレーススピードになると、レースを続行できない状態だということがすぐに明らかになり、その直後にマシンをリタイアさせなければなりませんでした。

自分たちのミスではないところで1台のマシンを完走させられなかったものの、今日はチーム全体にとってポジティブな一日でした。(次戦が開催される)マレーシアの高速コーナーでは、今回ほどの競争力はないかもしれません。それでも今日の結果は、少しでもチャンスが訪れた際には、我々も上位でハードなレースが展開できるということを思い出させてくれるでしょう」

長谷川 祐介

「スタート直前に降り出した雨により、波乱のレースになりました。

フェルナンドはいいスタートを決めたものの、スタートの混乱に巻き込まれ、マシンに大きくダメージを負いました。クラッシュに巻き込まれなければ上位を走行できていたと思いますし、今週は速さがあったので、ダメージの影響により早々にレースを終えなければならないことはたいへん残念でした。

一方でストフェルは、スタート時の混乱をうまくすり抜け、入賞圏内でレースを続けました。いいペースを維持しながら、オーバーテイクが難しいこのサーキットで前のマシンを抜いたことや、タフなレースをキャリア最高の7位で走りきったことはすばらしかったです。

不運がなければ、両ドライバーともにもっといい結果を残せるポテンシャルはあったと思うと残念な部分もありますが、貴重なポイントを獲得してくれたことは、チームにとってポジティブな一歩になりました」